CTの結果とがん患者の未来

昨日、6クール目の抗がん剤の初日でした。
最新のCTの結果も確認しました。
血液検査では、劇的な変化があり、「これは行けるぞ!」と密かに、、、どころではなく、おおっぴらに期待の弁を公言していました。
が、しかし、、、現実は甘くはなかった。
肺の腫瘍は、だいぶ小さくなっていた。
が、期待していた肝臓の腫瘍に、見た所ほとんど変化は見られなかった。
ただ、今の段階では臓器不全はおこすほど大きくないので、「大きくならない」、「他の臓器に転移しない」のであれば良しとする考え方を、今後の治療方針とすることにしました。
今後の治療方針としては、以前から書いているように
・今のFOLFOX+アバスチンを出来る限り長く運用する。
・その為には、副作用を調整してペースをつくる。
・当面は、現在の2週ごとから3週ごとの投与に変更する。
・それでも副作用が強くでてきた場合は、原因となる従来の抗癌剤をカットして、アバスチンを中心とした投与方法を採用する。
というものです。
ここに至った背景と、今後の予想できる未来に思いを馳せてみたので、まとめてみました。
以下は、大腸がんに関しての私の経験と調査から書いています。がんが違ったり、対応方法が違う場合、下記の内容はあてはまらない事になりますので、ご了解の上、お読み下さい。
◆ ここに至った背景
過去、約10年くらい前は、がん細胞をできるだけ早く小さくする事を目的に治療を行なっていたそうです。短期撲滅を目標としていた為、上手く行けばよいが、そうでない場合はすぐに「使えるカード」を使い切り、「もう打つ手はありません。」となる事も少なくなかったらしい。
効く時は効くが、効かない事も多く、それでいて副作用は強い従来の抗癌剤。イチかバチかの選択だったかもしれない。(ちなみに現代では、遺伝子検査等で、効かないケースが特定できるようになったものも多く、実効性の予測もある程度はよくなっているらしい。)
ここで出てきたのが分子標的薬。大腸がんの場合、がん細胞を撲滅させるほどのパワーはないが、抑えこむことは期待できる。その為、「がん細胞短期撲滅」を目的とする治療では、「メインではなくサブ的な役割」として使われてきた。
しかし、がん細胞を消すことができなくても抑えこめる能力、それまでより軽い副作用と、長期延命治療を考えた場合、かなり有効な薬として見直さ れてきたようです。現場でも、もちろんそのようなアプローチは多くなされ、そのデータも溜まってきた今日、分子標的薬を中心とした長期延命治療が、現実的 な選択肢として常用される事になったようです。
このような背景で、私のように「治る確率が1%から3%」と言われるケースの場合、今回のような治療方針になったのです。
◆ 今後の予想できる未来
このように「治らない場合の長期延命化治療」の流れを見てくると、我々大腸がんステージ4患者の未来もある程度予想できると思います。
医療の現場での「治す」から「副作用の少ない長期延命」への発想の転換が、新薬の開発にも影響を与えてくると思います。臓器不全を起こす前に見つかれば、「そのまま封じ込める」という選択が可能になるからです。
例えば、ステージ4の大腸がんになり、肝臓と肺に複数転移していても、腹膜播種していても、月に1回程度病院に行き、抗癌剤投与を受けると、後は今よりもずっと楽に普通の生活が送れるようになるという未来です。
もちろん、がんは治っていません。しかし、悪化しなければよいのです。痛風とか高血圧とかの治療と発想は同じです。一生、死ぬまで薬を手放せない事になりますが、ただそれだけです。副作用が軽減されれば、今以上に普通の人生になります。
とても現実的で、そして望ましい未来だと感じています。すでに実現しつつありますが、1日も早く、少しでも多くのケースで、より進化してほしいと願っています。
そしてこの場合、次の問題に対応しないといけなくなります。
就労の問題です。
ちょっと前までは、ステージ4の大腸がんと言えば、「末期がん」的な扱いでした。それが今日では、ケースによっては何年にもわたって生存できています。そして、今後は、今よりもずっと長く、そして楽に(軽い副作用で)生存できる事になるのです。
という事は、普通の人と同じように生活費を稼がんといけん事は、火を見るよりも明らかです。がん保険だけに頼っていては、生活は立ちいかなくなります。
この「就労の問題」をうまく解決できれば、少子高齢化で人手が足りていない日本の現状で、女性にばかり頼るのではなく、我々ステージ4のがん患者のおっさん達が、「日本復活の一翼」を担う日が来るかもしれないのです。
その日を夢見ながら、私自身の長期延命治療に「必生の信念」で向きあう事にします。